相続放棄について
こんにちは。
先週末は酷い大雨でしたね。県内あちこちで浸水被害が発生し、その影響完全には冷めやらぬ状況ですが、
また今週後半は雨が続くようです。
被災された方に更なる被害が出ないことを願うばかりです。
さて、本日は相続放棄のお話です。
人が亡くなると、その人の相続人に相続が発生します。
相続では、相続人が亡くなった方が生前持っていたプラスの財産もマイナスの財産もすべて引き継ぐことになるのですが、
マイナスの財産の方が多かった場合にも相続人が必ず相続しなければならないとなると非常に困りますよね。
民法では、相続人が「自分のために相続の開始があったことを知った時」から3カ月以内であれば相続を放棄することが認められています。
相続放棄をするには、相続が開始して3か月以内に、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出する必要があります。
※ 遺産分割協議書の中で「何も相続しない」と記載することは、法律上の「相続放棄」とはならないので注意が必要です。
相続放棄をすれば、初めから相続人ではなかったことになりますから、亡くなった方のプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことはありません。
その結果、亡くなった方が生前作った借金を返済しなければならないということもなくなるわけです。
ただ、実際に相続が発生すると、相続人にはやらなければならないことが次々と発生します。
優先順位をつけて、あっちをこなし、こっちをこなし、ようやく落ち着いたころには3カ月以上経っていた、なんてことも決して珍しくありません。
また、債権者には相続人に対して相続するかどうかを確認する義務まではないため、3カ月経った後に債権者から請求書が届くということも少なくありません。
大切な方を失った後の3カ月というのはあっという間です。
亡くなった直後に財産の事を考えるのは抵抗があると思いますが、特に負債が多い場合は相続放棄の選択肢は非常に重要になります。
相続放棄という制度について、ぜひ頭の片隅に置いておいていただければ。